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幅を広げてくれた本

このカテゴリーについて

このカテゴリーは一見すると英語とはまるで関係ありません。


普段から思っているんですが、英語が出来る出来ない以前に話す内容が無いケースや、物事への洞察が浅いがために表面的なことしか言えず、とても浅い会話しかできない人がいます。


かつての僕がそうでした。


その時の反省から、自分が読んで感銘を受け、人として成長できたなあと思う本を載せておきました。


ものすごく勝手な視点から選んでますのでその辺でのツッコミは受け付けません。(笑)

幅を広げてくれた本アレコレ

既に絶版になっている本もありの極めて不親切な本紹介のページです。

とはいえ、語らずにはいられない珠玉の一作を載せておきました。


《 パパラギ はじめて文明を見た南海の酋長ツイアビの演説集  》
  著者 エーリッヒ・ショイルマン


結構売れた本なのでご存知のお方も多いのではないでしょうか。画家であり作家でもあるショイルマンの目を通してみたパパラギ(白人)の文明を批判したフィクションです。ヨーロッパと日本ではとても売れたのに、アメリカでは売れなかったということを聞き、いろんなことをつい考えてしまう・・・・

「文明を批判した」と書いておきながら何ですが、単なる「文明批判」と「自然回帰願望」という視点からサラリと読むにはあまりにももったいないかなあ。

僕にとっては当たり前のものを「違った視点から見る」ことの大切さを教えてくれた本という位置づけです。

「作家は文脈に適した言葉を探して記憶を探るが言語そのものを疑問視することはない。なぜならあたりまでのものであり単なるデータだから」というのはある大学入試で用いられた英文の一節ですが、そんな当たり前のものに意識的に疑問を抱くことの重要性を気付かせてくれた本がコレ。

ユーモア溢れる語り口もまた楽しい。


《 いいこと思いついたっ!―今明かすキャラメルボックス9つの秘密 》
  著者 加藤昌史

僕が10年以上サポーターとして登録し続けていて、行くと必ず泣いて劇場を後にする愛すべき劇団「演劇集団キャラメルボックス」のプロデューサー加藤昌史氏の処女作。

基本に忠実であること、仕事に誠実であることが如何に大切かを改めて実感した本。この本を送った受験生がことごとく第一志望に合格してたのも懐かしい思い出です。

この夏に劇団員だった上川隆也さんが退団し、冬に結婚されました。新たな旅立ちを心からお祝い申し上げます。


《 嫌われ者のすすめ 》
  著者 加藤昌史

上の「いいこと思いついた!」の著者、加藤昌史氏の確か第2段だったと思います。

コミュニケーションをテーマにした総合出版社ロゼッタストーンのオンライン講座で連載されたものをまとめた内容になってます。

演劇界というのはとても変な世界で、「難しいテーマ」を含んでいないと上級とは認められない。ところが、この劇団は「わかりやすく、しかも感動的」という自称演劇ファンからは相手にされない極めて独自の道を歩んでます。

が、実際には多くの観客を魅了し動員数をガンガン伸ばして来ました。自分たちが表現したいものに誠実でありつつも、お客さんを必ず笑顔にして帰すという劇団全体の哲学は加藤さんの生き方そのものが反映されてて、その哲学に合った役者とスタッフ、お客さんから構成される舞台はとても感動的。そのプロデューサーの哲学書ですね、これは。


《 大衆の反逆 》
  著者 オルテガ・イ・ガセット

人間は大別すると特別な才覚を持たない「大衆」と特別な才覚を持つ「高貴な人」に分けられる。(高貴とは生まれながらの階級の意味では無い)

本来大衆とは特別な才能を持つ者の言うことに従うのを運命とし、自らの主義主張を表現することはなかった。

ところが現代はその大衆が「あらゆることに干渉」をするようになっている。

権力を持った大衆に対する洞察を通して、「どう生きるか」についての警鐘を鳴らす味わい深い名作です。


《 世論(上・下2巻) 》
  著者 ウォルター・リップマン

20世紀最高のジャーナリストと言われるリップマン。

この本は社会の大衆化に対してジャーナリズムのあり方を説いた本という位置づけが一般的なのですが、僕は「人はいかに事実認識をしているか」というテーマを感じつつ読みました。

報道に流されるとはどういうことか。
如何にして情報社会を生きていくか。

現代人にはそんなテーマで響く本ではないでしょうか。面白いことに「読みやすかった」と「読みにくかった」がとてもハッキリ別れる本です。僕自身はとても読みやすかったです。


《 イェルサレムのアイヒマン―悪の陳腐さについての報告 》
  著者 ハンナ・アーレント

アウグスティヌスの愛の概念に関する研究で若干23歳で、教授職を勧められたハンナ・アーレントの著作。

タイトルのアイヒマンとはナチスドイツで40万人ものハンガリー人をアウシュヴィッツへ送ったとされる人物です。

アリストテレスは「アレテー(卓越性)」という言葉で「善」を定義しました。私見の範囲を出ないのですが、この本はその対極にあるのではないでしょうか。

「己」の無い没個性こそ悪を生み出すのだというアーレントの声が聞こえてきます。


《 迷惑な進化―病気の遺伝子はどこから来たのか 》
  著者 シャロン・モアレム

「進化とはある種の妥協である」
この本を読んでいてとても印象に残ったフレーズです。

新進気鋭の進化医学者とクリントン前大統領のスピーチライターだったジョナサン・プリンスの共著で、病気の遺伝子がなぜ現代に姿を残しているのかを平易な語り口で伝えています。

とにかく読みやすく、ためになる本。


《 無限論の教室 》
  著者 野矢茂樹

ゲーデルの不完全性定理に関する本を読んでて行き詰まった時に勧めてもらった本です。

基本は対話形式(大学での哲学の講義という設定)で本格的な内容です。厳密制に欠ける記述もあるのですが、一般に向けて哲学を伝えて楽しみながら「思考」する機会を提供してくれます。

Amazonのレビューを見ると結構厳しい評価もあるんですが、その評価自体がレベルが低くて・・・こーゆー人たちが日本の知的水準を落としていると思ったり思わなかったり。


《 Watching the English 》
  著者 Kate Fox

確か筑波大の長文問題について受験生に解説していた時、その問題に使われていて知った本です。

サブタイトルにThe Hidden Rules of English Behaviour(イギリス人の行動における隠れたルール)とある通りイギリス人の様々な特徴についても書かれています。

僕のお気に入りは筑波大の入試でも取り上げられた、ぶつかった時に思わず"Sorry"と言ってしまうことについての研究箇所。この作者、実験データをとろうと思っていたのに人にぶつかって自分から"Sorry"と言ってしまい研究がのっけから躓くんです。

ちょっとクスッとなってしまう語り口はとても面白かった。